いきなり個人的な感想で恐縮ですが、西成ほどブラックミュージックが似合う大阪の町は無いと思っています。
もう相当昔のお話(まだ20代でした・・・)ですが、今はもうない新今宮駅近くの、カウンターしかない小さなバーでひとり酒を飲んでいたら、おそらく当時の私より少し年上と思しき痩身で細面の男性が、そこのマスターから「久々に1曲歌う?」と声を掛けられ、マスターの生ギター伴奏で歌い始めたのが横浜ホンキートンクブルースでした。
「西成で横浜??」と歌が始まった時は少し皮肉な笑みを浮かべてしまった私も、すぐにその不埒な笑いを消し、曲の世界に入り込んでしまいました。
その歌声に全身が痺れる様な、脳天に雷が落ちる様な、そんな経験をしたことは当時の私にとって初めてでした。
感動と衝撃で歌が終わった後、全身が凍ったように固くしたまま、目の前にあったジャックダニエルのロックをガブリと飲み干すと、そこのマスターがカウンターの中から帽子を取り出します。
カウンターで飲んでいた他の客たちが無言でその帽子の中に、1,000円、100円、500円と思い思いの金額を入れていきます。
おそるおそる私も500円玉を入れました。これが西成名物「投げ銭方式」との最初の出会いでした。
そんな私の若き日のひとコマを彷彿とさせる様な「出会い」がつい最近ありました。「西成ジャズ」の存在を知ったのです。
「投げ銭方式」で本格的なジャズを楽しめます。
以前は「難波屋」さんという立ち飲み居酒屋でライブをやっていたようです。
因みにこの難波屋さん、安くて美味しいです。
現在は「DONNA LEE」というお店と「永信防災会館」が会場となっています。
「DONNA LEE」さんは「KAMA PUB」というパブ営業をしているお店。
最近はバックパッカーの訪日旅行客も多く来店していて、ライブの楽しさが更に増しています。
ジャズはもちろん、生演奏にあまり触れる機会のなかった方、ぜひ一度ふらっと立ち寄られてみてはいかがでしょうか?
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